21 12 月
日本においては、文部科学省によって学習障害を次のように定義づけられています。
「学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。
学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。」
(文部科学省HPより)
文部科学省では発達障害のいくつかについてそれぞれ定義づけられているのですが、学習障害もそのうちのひとつに含まれているのです。
上記の定義から分かることは、学習障害とはあくまでも個人の特徴であり、体の発達や育ってきた環境に特別不利なことがあるわけではないということ。
「中枢神経系に何らかの機能障害がある」とのことではありますが、現在のところ推定されているだけでそうと断言されてはいないため、やはり特徴の域を出ないのかもしれません。
学習障害に対しては大らかな目で見て接することが重要ですが、特別な障害だと思い込んで憐れみ過ぎるのも良くないのかもしれません。
26 8 月
学習障害の症状のひとつとして、認知の偏りが診断されることがあります。
認知には主に視覚的認知と聴覚的認知というものがあり、これらのバランスが偏っているということになります。
といっても、視力や聴力に問題があるわけではないので、視力検査などで分かることではありません。
視覚的認知、聴覚的認知とは、目で見たり耳で聞いて得た情報を理解して対応することです。
人間には視覚や聴覚以外の五感があり、他の3つからの認知もあるのですが、学業では特に視覚と聴覚から得る情報が膨大な量になります。
そんな目や耳から得た情報を、大抵は弊害なく理解・対応するところ、学習障害だと得意・不得意の差が極端に現れることがあります。
それが、認知の偏りです。
視覚的認知や聴覚的認知は体機能の異常ではないため、一般的な視力検査や聴力検査では診断できません。
ではどんな検査が必要になるかというと、視覚や聴覚、それぞれの心理検査です。
もし視力や聴力といった体機能の方に異常があるのであれば、それは認知以前の問題。
理解するための情報を正しく得られない状態のため、認知力はこの場合関わりのないことです。
もちろん、この場合も理解・対応できないという点では同じですが、しかし視力や聴力は一般的な検査で診断できますからね。
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16 11 月
学習障害のお子さんの中に、友達と遊んだり学校といった集団での行動を苦手とする子がいます。
このような社会的な場面でのつまずきなのですが、いろいろ原因が考えられます。
認知面での片寄りで適切な振舞い方がわからなかったり、逆に不適切なふるまいをしてしまっている場合もあります。
またわかっていてもタイミングがつかめ無かったり、適当ではない場面で使ってしまったイrなんてこともあります。
このようなことがあると上手くいかないことに自信をなくし、友達といった関係も自信をなくしてしまったり劣等感を感じてしまったりということがあるのです。
こういったことを上達させるためにソーシャルスキル訓練というものがあります。
社会的な場面で、どのような振舞い方をしたらよいかを、その子に合わせて方法をみつけだしていく訓練なのです。
少人数にグループで行われることが多く、その子の背景を理解したうえで訓練が進んでいきます。
やはり経験すること、成功の体験をしていくことで社会でも実行していけるものですよね。
クラウドにつかわれているコールセンターに勤める友人の子も学習障害なのですが、子どものためを思ってこの訓練を受けさせているようなのですが、やってみようという気持ちが付いてきたようでうれしいといっていました。
20 8 月
勘違いしないでいただきたいことがあります。
学習障害とは知的障害とは全く異なるものです。
他の子となんら違いはなく、特別な助けはなくとも一般的な生活を送れる普通の子です。
(・・・と表現してしまうと知的障害児を“普通の子ではない”と言っているかのようですが、そのようなつもりで説明しているわけではないので悪しからず)
学習障害とは、生活に支障は無くとも学業の場において違和感を抱えていること。
勉強する科目にはいろいろとありますよね。
国語、算数、理科、社会などなど。
また、それぞれに内容もいろいろとありますよね。
読み、書き、計算、暗記、応用などなど。
学校ではそれらを満遍なく出来るよう勉強しますが、得意不得意が極端に偏っている場合に学習障害となるのです。
国語や社会はできるけど、算数や理科がどうしてもできない。
計算や応用は得意だけれど、暗記となるとどうにも覚えられない・・・
でも、こんな人って決して珍しくはないですよね。
どのクラスにも一人や二人はいるものです。
それに、極端ではないかもしれませんけど、皆さんだって文系か理系かのどちらかには偏りがあるはず。
学習障害の場合はそれらがあまりに極端な場合を指しますが、しかし珍しいことではありませんし、得意不得意があるのは誰にでも考え得ることです。
つまり、学習障害とは単なる個性であり、個々人の特徴であるとも思いませんか?
“~障害”と呼ぶチラシが作成されてしまうから、特別な発達の遅れのように感じてしまったり、奇異や憐憫の目で見られたりするのです。
23 3 月
学習障害である人がそうと診断されるのは、主に幼児期のことです。
では成人は学習障害にはならないのかというと、必ずしもそうとは言い切れません。
・・・というより、学習障害を抱えている人はそのまま成人になると言った方が良いでしょう。
学習障害は病気とは違い完治させられるものではありません。
幼児期に学習障害と診断されたなら、成人を迎え、老後までも、学習障害とうまく付き合っていかなくてはならないのです。
しかし、学習障害は絶望すべき障害ではないということを知っておいてください。
学習障害は確かに苦労するでしょうが、努力によって乗り越えられる障害でもあります。
かの有名な俳優のトム・クルーズも学習障害でしたが、演技やセリフなどからはとてもそのようには感じられませんよね。
それは彼の工夫された勉強法や努力によるものです。
また、彼は学習障害を抱えながらもパイロットの免許さえ取得したほど。
その他、以前にも挙げたアインシュタイン、アンデルセン、ジョン・F・ケネディなども学習障害だったと考えられていますが、彼らもまたそうとは思わせない成果を世に残しています。
彼らの類まれな“努力”は、学習障害を抱える彼らのためにお釈迦様が与えてくださった希望だったのかもしれませんね。
学習障害を乗り越えるために何より大切なのは、彼らのような学習障害を抱えている本人の努力と、そして周囲の人々の理解とサポートです。
現在は学習障害にもだんだんと理解が深まってきているので、完治とまではいかなくても改善は可能となってきています。
23 10 月
学習障害のお子さんをおもちのかたに紹介したいのが学習支援団体です。学習障害を支援している団体は多く、一人で悩んでいないで相談をすることができます。
・日本発達障害ネットワーク
自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害等の発達障害のある人およびその家族にたいする支援を行うとともに、発達障害に関する社会一般の理解向上を図り、発達障害のある人の福氏の増進に寄与することを目標としてる団体
・日本発達障害ネットワーク北海道
日本発達障害ネットワークのエリアネットワークとして北海道での活動をしている団体。
・全国LD親の会
学習障害児・者お四尾その周辺の子ども達の存在とそれに対する理解が広まるとともに、各地の親の会では会員数の増加とともになって年齢構成の幅が広がり、新たな取り組みが必要となっています。各地域の親の会はそれに対する取り組みを強めています。
・LD親の会けやき
東京都を中心として行政への働きかけ社会への啓発、後援会、機関紙の発行、レクレーションなどの活動を行っており、LD児・者の社会自律を願って、子育て、学校社会、社会支援などへ積極的な取り組みをしている団体
出会いがないとアダルトパーティーなどに通い、めでたく結婚した同僚の子どもが小学校に入ったときにLDと診断されました。
親も最初のうちはどうしたらよいか戸惑い、不安で仕方なったのですが、このような支援団体のことをしり同じLD児を持つ親と自分の体験を話すことで少しは気持も楽になったといいます。
貸し会議室で仕事の打ち合わせの休憩のときにこの話を始めて聞いたのですが、最初はやはりひとに話すのは戸惑ったそうです。
ですが、この子の個性と受け入れ子どもと一緒にがんばっていきたいと話していました。
貸し会議室のある大阪を後にしたあとも、団体の事や子どものことなどを話し、その場をあとにしました。
大変なことも色々な悩みもあると思いますが、がんばってほしいです。
25 5 月
学習障害(LD)と左利きには関係があるのではないかとする説があります。
というのも、左利きや両手利きの児童の学習障害(LD)の割合が、右利きの場合と比べると多くなっているからです。
「利き手」が存在するように、脳にも「利き脳」とも呼べるものが存在するそうです。
脳内における言語機能は左脳に偏在しているのですが、右利きの人の95%は左脳優位となっています。
一方左利きの人の場合は、言語機能が片側に偏ることはないと言われており、このことが脳の働きに違いが生じているいるとも考えられます。
昔から左利きは子供の意思にかかわらず無理やり右利きに矯正されることが多くありました。
社会生活においても、あらゆることが右利き用に作られていることが多く、左利きであると不便を強いられます。現在でも、駅の改札は右側から切符を入れたり、自動販売機のコイン入れも右側にあったり、右利きの人が使いやすいように設計されているものが多くあります。
脳が左手を指示しているのに、親が子供に無理やり右手でやるように指示することがストレスとなり、それらが脳に悪影響を与えているとも考えられますが、実際のところはそれらが学習障害(LD)と関係しているのかどうかは分かっておりませんが、学習障害の人に左利きが多い、というのは確かだそうです。
最近では、ユニバーサルデザインと呼ばれる設計が浸透しつつありますが、アメリカなどに比べて日本ではまだまだ遅れているように感じます。これからの動きに注目したいところです。
16 5 月
学習障害(LD)は、チックと呼ばれる症状を起こすケースがあります。
チックとは、目をしばたかせる、手や足を叩きつける、顔をゆがめる、肩や首などを不自然に動かし続ける、咳払いを繰り返す、短く奇声をあげることを繰り返す、などの症状のことを言います。
トゥレット症候群とはチックという一群の神経精神疾患のうち、音声や行動の症状を主体とし慢性の経過をたどるものを指し、運動チックと音声チックがあります。
運動チックは、不自然な身体の動きが反復して現れ、それが多発するもので、音声チックは、短い音声をあげたり、意味不明な言葉を繰り返したり、時には汚言を繰り返すこともあります。
症状が重い場合、学校や家庭生活に支障が出るケースもあります。
多くは6~8歳児に出現し1年以上続き、女の子より男の子のほうに多くみられるようです。
併発症として、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、強迫性障害(OCD)、睡眠障害などがあります。
かつては、親の育て方に原因があるとか、親の愛情が足りないからだとか、両親に原因があるかのように言われることが多かったのですが、最近の医学においては、チックは大脳の基底核の病気であり、ドパミン神経系の過敏から来ていると考えられるようになっています。
諸外国ではチックの研究は古くから行われてきましたが、日本では、まだまだ世間に周知されておらず、診断や治療を正しく受けられていないのが現状です。
29 4 月
学習障害(LD)と混同されがちなものに、「高機能自閉症」というものがあり、文部科学省による「高機能自閉症」の定義は以下のとおりです。
『3歳位までに現れ、他人との社会的関係の形成の困難さ、言葉の発達の遅れ、興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないものをいう。また、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。』
一般の自閉症の場合、8~9割の割合で知的障害がありますが、高機能自閉症のケースでは知的障害が認められず、IQは標準あるいはそれ以上であることもあります。
「高機能自閉症」と診断される判断基準は・・・
(1.)知的発達の遅れが認められないこと
(2.)以下の項目に多く該当すること
人への反応や関わりの乏しさ、社会的関係形成の困難さ、言葉の発達の遅れ、興味や関心の範囲・種類が狭く特定のものにこだわること、その他の高機能自閉症における特徴に該当すること
(3.)社会生活や学校生活に不適応が認められること
と、されています。
高機能自閉症は、学習障害(LD)や知的障害(mental retardation)がないため、日本の法律では障害児とみなされず、IQが高いので障害があるということを発見されにくくなります。
またIQが高いにも関わらず、自閉症児にみられるような行動を起こし、周りが戸惑うことが多く、誰にも気づかれずに大人になってから分かるということもあるそうです。
高機能自閉症は専門家に判断をゆだね、そうだった場合には周りの大人の理解がとても大切になります。
9 4 月
前回ご紹介した「注意欠陥多動性障害(ADHD)」と同様に、学習障害(LD)と混同されがちなのが、「アスペルガー症候群」です。
アスペルガー症候群とは、自閉症の一種と言われており、高機能自閉症とアスペルガー症候群をまとめて「広汎性発達障害」と呼ぶ場合もあります。現在のところ、高機能自閉症とアスペルガー症候群との違いは、専門家の間では各々見解が異なり、明確な区分はないようです。
アスペルガー症候群の人は、(1.)社会性、(2.)コミュニケーション、(3.)想像力の3つの障害が合わさっていると言われます。
社会性の障害とは、人の気持ちを推測したりすることが苦手なことです。
他者との意思の疎通が困難となり、孤独感にさいなまれやすくなります。
コミュニケーション能力の障害とは、言葉は話せますが、一方的なことです。
感情や情緒を表す言葉は苦手です。
想像力の障害とは、大変限定された趣味を持ったり、変わったものをコレクションしたり、遊びの部分でかなりのこだわりを持ったりします。
また視覚、聴覚等の感覚分野において、過敏になる、あるいは鈍感であるケースがあります。
手先の不器用、動作の不器用など、字を書くのが苦手な場合もあります。こうした場合には学習障害が現れるケースもあります。
アスペルガー症候群の人は、自分の興味の向くものにはとことんこだわり、異常なまでに調べ上げ、相当な知識を持ちます。
こうした特徴から、社会的に活躍した人も多数存在し、プログラマーなどのような仕事に就く人も多く、かのビルゲイツもアスペルガー症候群だと言われています。
アスペルガー症候群の人の場合、独特のこだわりをやめさせるのではなく、活かす方向で支えてあげるといいでしょう。